
どっちが良い?MTBの電動変速・機械式変速を比較
MTBの変速システムには電動式と機械式があります。それぞれの特徴を比較して、利用シーンごとにMTBで使うならどちらが良いのかを解説します。
公開日: 2024.8.12
MTBの電動変速・機械式変速の違いを一覧で比較
まずはそれぞれのコンポーネントの違いを特徴ごとに比較してみましょう。
| 変速方式 | トータル価格 | 変速性能 | トラブル時の対処 |
|---|---|---|---|
| 機械式 | 1万〜10万円程度 | グレードによる | トラブルは比較的起こりやすいが、知識があれば修理は容易 |
| 電動式 | 10万円以上 | 非常に速い | 電源以外はトラブルは少ないが、トラブル時は対処できないことも多い |
値段は圧倒的に電動コンポーネントが高い
ロードバイクのコンポーネントほどではないですが、MTBでもコンポーネントの値段としては電動式の方高くなります。機械式は上位グレードでも変速パーツ一式(シフター、スプロケット、ディレイラー)で10万円もあれば揃えることができますが、電動式の場合は、10万円からがスタートで、構成次第では20万円以上するのも当たり前です。
実は電動コンポーネントはトラブルが少ない
トラブルが起こりやすいのは実は機械式です。というのも、機械式は調整が幅が広く、人間の手で柔軟に調整・設定ができるように設計されているため、ちょっとしたミスなどで変速が狂うこともあります。また、ワイヤーで引っ張るだけのシンプルな構造ゆえに、ワイヤーの伸びや破損によって変速がスムーズに効かなくなることもあります。MTBの場合は、岩や枝などで物理的にダメージを受けるリスクもあります。
一方で、電動変速は電線で繋がっており電動で変速を行うので、一度プロの手でしっかりと設定が出てしまえば実はトラブルはそこまで多くありません。あるとすればバッテリー関連のトラブル(バッテリー切れなど)がほとんどなので、実はトラブルが少ないコンポーネントと言えます。
修理をしやすいのは圧倒的に機械式コンポーネント
電動コンポーネントはトラブルが少ない反面、「トラブル = 変速不能になるほどの重大なトラブル」というケースが多くなる傾向にあります。例えば、バッテリーが切れたら充電をしない限り変速はできない(重いギア、軽いのまま固定されてしまう)ことになりますし、機構的なトラブルで変速ができなくなった場合は、ほぼ100%メーカー修理になります。
一方で、機械式コンポーネントの場合は、ワイヤーで引っ張るだけのシンプルな構造なので、携帯工具を持って行っておけば、ほとんどの変速トラブルは対処できます。ケージが破損した、ハンガーが曲がったなどの物理的なトラブルは対処できないことがありますが、それ以外は概ね出先でも携帯工具で修理ができます。
ただ、電動コンポーネントの場合は、そもそも変速が不調になる、ズレるなどのトラブルがそもそも皆無なので、機械式コンポーネントで起こりうるトラブルは、電動コンポーネントでもそもそも起きないという点も理解しておきましょう。
どちらを選ぶべき?
自分で修理ができるなら実は機械式が一番安心
構造がシンプルなため、自分で修理ができるなら実は機械式コンポーネントが一番安心です。
電動コンポーネントの変速の速さや快適さは魅力ですが、MTBを山の中などを「修理を呼ぶことができない = 自分で修理をする必要がある」という環境で走行する場合は、自分で修理ができるのというは最終手段として取っておきたいところ。
特に、トレイルライドを楽しむ場合などは常に「最悪のケース」も想定しておくべきで、「変速ができない = 帰宅が困難になる」というケースを少しでも避けたいなら、機械式コンポーネントがベストでしょう。
XCレースなどで使うなら圧倒的に電動式
一方で、ある範囲を周回する、もしくは最悪の場合でも開催スタッフなど人を頼ることができるシーンなら、電動コンポーネントがベスト。万が一トラブルが起こっても誰かに助けを求めることができますし、修理ができなかったらレースを棄権して帰宅してしまえば良いだけです。
トレイルライドのように誰もいない山の中を走るわけではないので、「変速トラブル = 帰宅困難」ということにはならないため、安心して電動コンポーネントを使うことができます。
