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MTBのルック車とは何か?特徴と避けるべき理由

ロードバイクでよくルック車。実はMTBが起源と言われていて、しかもMTBのルック車は山遊びをするのであれば絶対に選んではいけない自転車なので、MTBを購入する際には注意が必要です。

公開日: 2024.8.11

スポーツ自転車の「ルック車」の起源は実はMTB

よくロードバイクで聞かれる「ルック車」という表現。ロードバイク界隈では「ロードバイクのような見た目(ルック)だけど、ロードバイクではなくてママチャリと同じ」という意味で使われますが、実はこのルック車の起源はMTBにあります。

MTBのレースやパークでライドをする際には、厳密に機材の規定がされていることが多く、見た目はMTBのような自転車でも、開催側から「規定に合わない」としてレースやパークでのライドを断られるケースがあります。これはサスペンションなど悪路に適した装備をしていないMTBでは命に関わる事故が発生する可能性があるための措置です。こうした状況から「MTBの装備基準を満たさない、MTBのような見た目(ルック)の自転車は走行禁止」というルールが一般的になりました。

一方で、MTBを購入する側からすると、レースやパークで走行できる、本格的な装備を搭載したMTBは15万円以上するケースが多く、手軽に手が出せる自転車ではありません。そうなると、必然的に「もっと安いMTBはないのか?」と探すことになるのですが、そこを狙った「安いMTB(みたいな自転車)は売れる」というメーカー側の思惑とユーザーニーズがマッチした結果、「ルック車」が生まれます。

ロードバイク以上に危険性があるMTBのルック車

舗装路を走行する前提のロードバイクは、レースモデルであろうとルック車であろうと、舗装路を走るだけで車体由来の事故に遭うリスクはほとんどありません。

しかし、悪路を走行するMTBの場合は、ちょっとした段差を乗り越えられなかったり、ブレーキがしっかり効かなかっただけで大事故につながるケースが多くあります。

街乗りで使う分にはMTBルック車でも問題ないですが、MTBでの走行を想定しているような林道やトレイルなどは、大手スポーツ自転車メーカーが販売しているMTBを選ぶようにしましょう。

MTBルック車の見分け方

「一般(普通)道路専用」シールがあったらルック車

MTBのルック車の見分け方のうち、一番簡単なのが「一般(普通)道路専用」シールの有無です。

これは、国内メーカーが販売するMTBライクな自転車やクロスバイクによくあるシールで、トップチューブ(車体の跨ぐところ)によく貼られています。MTBはその名の通り山を走る自転車ですから「一般(普通)道路専用」なんてシール敢えて貼ってある(山は走るなという警告がある)のは、ルックだけMTBという証拠です。

海外メーカーのMTBライクな自転車は判断が難しい

一方で、判断が難しいのが、見た目はほぼMTBなのに、しっかりパーツなどを見極めていくと山を走るには厳しい装備になっている、ステルス・ルック車。

Amazonや楽天市場などのネット専売で売られているMTBルック車はこのパターンが多く、例えば、

  1. サスペンションらしきものが装備されているが、使ってみたらほとんど沈み込みをしない
  2. ホイールのリム・スポークの強度が段差を超えるための強度に達していない
  3. フレームの強度が足りない

という自転車が紛れています。

ほとんどが実際に走ってみないとわからなく、買ってみて初めて「ルック車だった」とわかるため、初心者の方が見極めるのは非常に難しいでしょう。

間違いなく、ルック車ではないMTBを買う方法

では、絶対にMTBルック車を買わないようにする方法はなんでしょうか。

MTB専門店・スポーツ自転車専門店で買う

MTB専門店・スポーツ自転車専門店は、スタッフの知識も高いですし、そもそもルック車を会社として仕入れていないことが多いため、ルック車を買ってしまうリスクが激減します。

MTB専門店・スポーツ自転車専門店には、高いMTBしか置いてないと思いがちですが、セール品やアウトレット品であれば意外と買えなくはない(安くはない)MTBも置いてあります。

逆にMTBのルック車を買ってしまう可能性が高いのが、家電量販店やスーパー、ホームセンターなど。

これらのお店はそもそもスポーツ自転車メーカーからの仕入れルートを持っていないことが多く、ルック車率が高くなります。

Amazonや楽天の無名店舗から買わない

一番ルック車を引きがちなのが、Amazonや楽天の無名店舗を使うケース。

安いMTBを探しやすく、価格も手頃で見た目もカッコよく写っているため、つい選んでしまいがちですが、MTBで山遊びをするという意味では一番悪い手です。

特に、中華系のメーカーは見た目だけはカッコよく仕上げるのが非常に上手なので、惑わされないように注意しましょう。

MTBのルック車に関するよくある質問

Q.

ルック車に乗るのは危険ですか?

A.

舗装路を走行する分には、ルック車でも問題ありません。

舗装路以外の道をルック車で走行すると、車体が壊れたり、車体の故障が原因の怪我を負うリスクがあります。

Q.

重いMTBは全てルック車ですか?

A.

重いMTBが全てルック車とは限りません。

スポーツ自転車メーカーが製造した悪路を想定したMTBでも、スチールフレームやアルミフレームのMTBやフルサスMTBは重い傾向あります。

そのため、重量だけでルック車かどうかを判断するのは難しいでしょう。